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夜明け前 第3章 2
利「なぁ 由紀奈・・・俺が身体だけだと思ったんだ?」

由「なんとなくかな」

利「そうか」

由「気にしてるの?」

利「いや。そういう事ではないよ。」

由「ごめんなさい」

利「あやまる事はないよ。そう思われても仕方がないからね、今は」

由「利昭さん」

利「本当に由紀奈を愛してるんだ。それだけは判って欲しいんだ」

由「うん。」



 鋭い所も嫌いではなかった。

 利昭自身も由紀奈に惹かれていったのも事実だ。

 本気で由紀奈と一緒になりたいと思った

 久実の事は嫌いではないが、子供の事になると価値観が違っていた。

 久実は子供は欲しくないと結婚当初から言っていた。

 利昭は子供が欲しくってしょうがなかった。

 SEXしていても中では出す事はなかったし、必ずと言っていいほどゴムを使用していた。



由「ね・・・」

利「うん?」

由「今は奥さんとしていないの?」

利「あぁ・・・していないよ。別々に寝てるしな」

由「そう」

利「していると思ったか?」

由「うん、夫婦だし」

利「もう暫くはしていないさ。」

由「そう」

利「由紀奈が気にすることはないさ。俺もあいつも・・・・」

由「・・・・・・」

利「出来るだけ早く離婚出来るようにするから」

由「うん」


  利昭が急いでいるような気がしてならなかった。


由「急がなくてもいいよ。」

利「由紀奈」

由「奥さんと納得するまで話して」

利「それでいいのか?あいつが納得するまで時間がかかるかもしれないんだよ?」

由「それでもいい。待っているから」

利「時間が掛かったら待たなくていいから」

由「なんで?」

利「お前の時間を縛る事は出来ない、勝手な話だな」

由「そうね。判った。そうする」

利「俺から言い出した事なんだから」

由「うん」


  利昭も自信があったわけではなかった。

  以前も同じ様な事があって、久実を説得したが無理だった。

  その女性も待つといったが結局は待つ事はなくほかの男と結婚したのだった。

  それ以来久実は利昭から離れていった。

  利昭もそれはわかっていたので、今なら離婚が出来ると思っていた。



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