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夜明け前 第3章 4
 何処か物足りない感じがあった。

 自分より早くイってしまう・・・・・

 もう少し弄って欲しいという欲望だ。

 ある程度開発された体には利昭の愛撫は物足りなさが否めなかった。


利「駄目だな。」

由「何が?」

利「由紀奈の事満足させてあげられていない」

由「そんな事ないよ。十分満足しているよ」

利「そうか?」

由「うん」

利「そっか」


 由紀奈の優しさでもある。


利「もう寝よう」

由「うん。おやすみ」

利「あぁ」


 背中を向けて寝てしまう・・・・・

 その背中を抱いて寝るのがいつの間にか癖になっていた。

 あまり大きくはないその背中が好きだった。


 ジリジリ・・・・・


由「おきて」

利「ぁん?」

由「時間よ」

利「そうか。おはよ」

由「おはよ」


 チュ


利「一緒に会社行くか?」

由「ううん。」

利「別にいいんじゃないか?」

由「噂になっているんでしょ?」

利「そうだけど・・・・本当だったって教えてあげれば?」

由「でもいい」

利「そうか。じゃ先に行くな」

由「うん。いってらっしゃい」

利「あぁ」


 『一緒に行きたいけど・・・・』

 会社


亜「おはよ」

由「おはよ」

亜「泊まり?」

由「うん。そう」

亜「聞いたんだけどね」

由「うん。」

亜「以前小泉さん不倫していたって」

由「だろうね。慣れているもん」

亜「判ってたの?」

由「なんとなくね。でも今回は本気だって」

亜「本人がそう言ったの?」

由「うん、早く離婚の話するって」

亜「そう。」

由「心配かけてごめん。何処まで本当なのか判んないけど」

亜「そう。アンタがそう思うのならそうすればいいよ。」

由「亜樹。ありがとう」

亜「でも傷つくかもしれない、それでもいいんだね」

由「うん。」

亜「判った。もう何も言わないよ」

由「ごめん」

亜「いいって」



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