今までこんな事などなかった・・・・

　結婚してから１度もだ。


利「どうしたんだ？」

久「もうそろそろいいかなって」

利「子供は欲しくないってずっと言っていたじゃないか」

久「そうだけど、友達の話聞いていたらほしくなって」

利「今まで言っていたじゃないか」

久「そうだけど、」

利「勝手すぎると思わないか？友達の話聞いてほしくなるなんて、今まで何を聞いていたんだ」

久「そんなに怒らなくても。」

利「我慢も限界だよ。久実。別れ様」

久「いやよ。別れないわ。もし出来ていたらこの子は父親を知らない子になるのよ？それでもいいの」

利「それは。認知はするよ」

久「利昭こそ勝手じゃない。そんな事が言えるの？」

利「言えるさ」

久「どうして？急に子供が欲しいって言ったから？」

利「そうだな」

久「いや。最後かもしれないのよ」

利「だったら何故、前にそう言わなかったんだ。欲しくないからだろう？友達に居るからだろう？」

久「・・・・・・・」

利「お前はいつもそうだ。もういい加減にしてくれ」

久「いやよ。離婚はしない。」

利「久実・・・・・」

久「もし離婚するっていうなら、私どうなるか判らないわ」

利「脅かしか？」

久「そうとってもいいわ。」

利「そっか」

久「覚えておいて、子供が出来ていてもいなくても、私は貴方とは離婚しない。」

利「そっか」



　　たった１回中出ししただけなのに・・・・

　　今までの事はいったいなんだったんだろうか？

　　もしかして由紀奈の事が判ってしまったんではないだろうか？

　　そんな不安が利昭を襲っていた。