2ntブログ
生きてるだけで丸儲け (夢の中へ・・・・・・)
のんびり。まったり。ぼ~と
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
夜明け前 第3章 12
 何処か違っていた利昭と由紀奈だった。
 
 二人の心の中に『久実』という物があったからだ。

 由紀奈にとっては嫉妬にも似た感情があった。

 利昭にとっては由紀奈を離したくないという感情があった。


利「由紀奈・・・本当にごめん」

由「ううん。」

利「もし由紀奈に子供が出来たら嬉しいな」

由「奥さんに出来ていたらどうするの?」

利「判らない。嬉しいという感情はないだろうな。」

由「どうして?」

利「俺が愛しているのは由紀奈だから、」

由「そういうもんなの?」

利「そうだよ。由紀奈は嬉しくないのか?俺の事愛してはいないのか?」

由「複雑だわ。利昭さんの事は愛しているけど・・・・」

利「けどなんだい?」

由「奥さんにも子供ができるかもしれないなんて・・・・・」

利「それはまだ判らないさ。」

由「私だって判らないわ。出来ていなかったら?」

利「お前にか?」

由「ええ」

利「それでもいいさ、お前が居てくれれば」

由「そう・・・」

利「いやか?」

由「愛人だもんね。」

利「いや、そういう意味じゃないよ。久実に子供が出来ていても俺は離婚するよ。お前と結婚したいから」

由「・・・・・・」


 本当に子供が出来たらこの人は奥さんと離婚できるのだろうか?
 
 そんな不安が由紀奈を襲う。


利「由紀奈。心配するな。俺は絶対に久実と離婚する」


 利昭がムキになっているような感じだった

 不意打ちとは言え、久実として中に出してしまった事が利昭をムキにしていた。


由「利昭さん。ムキにならないで。もし奥さんに子供が出来ていたら喜んであげて。そうしてあげて」

利「由紀奈・・・・・」

由「お願いだから」

利「判ったよ。もしそうなったら・・・な・・・・」

由「利昭さん」

利「今日も泊まっていってもいいか?」

由「今日は帰った方がいいわ。」

利「そうか・・・・」

由「奥さんが待っているかもしれないから」

利「そんな事はないさ。寝てるよ」

由「そう・・・・」


 なんとなくだが、久実が起きていて利昭の事を待っているような気がした。

 それと感づいているような気がしてならない。

 だからこその行動だと思った。



コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック