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朝が来ない夜はない 2 第2章 1
 「『魂』か・・・・俺はあいつと別れてから何をしていたんだろうな・・・沙希だけではなくほかの女に対して身体だけ求めていたんだよな・・・」


会社


 恭「啓佑....お前それマジで言ってんの?」

 啓「マジだけど?」

 恭「不味くないか?俺たちはいいけど、亜樹達がなんていうか」

 啓「同僚だろ?」

 恭「そうだけど。」

 啓「それに今の輝はどうしていいのか判っていないんだ」

 恭「それって設楽さんのことか?」

 啓「あぁ・・前なら女と別れても平気な顔していたのに、設楽さんと別れて俺や恭平に言われた事がきいているみたいだし」

 恭「そっか。一応聞いてみるよ」

 啓「悪いな。初子にも聞いてみるよ。」

 恭「そうだな。柴田さんがいればまた違うだろうな」

 啓「あぁ」



啓佑の部屋


 初「おかえり」

 啓「ただいま」

 初「どうなの?沙希と茂原さん」

 啓「変わりはないな。ただ輝がね」
 
 初「茂原さんがどうかしたの?」

 啓「今の自分がからっぽだって気が付いたみたい。」

 初「からっぽって?」

 啓「人間らしくないって事 感情がないんだ」

 初「そう・・・・」

 啓「それでな。今度 皆で飲もうって決めたんだけど、初子もおいで」

 初「皆って沙希も?」
 
 啓「そうだけど」

 初「私は構わないけど、由紀奈がね・・・・」

 啓「あっ・・大丈夫じゃないかな」

 初「そう。啓佑と由紀奈が前に付き合っていたのは知っているけど、なんかやきもち焼くな」

 啓「初子・・・・もう昔の事だし。俺と和田さんは利害が一致したから付き合っていただけ」

 初「そうだけどね。したんだよね?」

 啓「したよ。初子だってそういう人前いたでしょ?おあいこだからね」

 初「そうだね。ごめん。」

 啓「今はいい同僚だよ。愛しているのは初子だけだから」

 初「うん」


初子には以前由紀奈と付き合っていた事を言った

 
 啓「なぁ・・初子」

 初「うん?」

 啓「俺が居なくなったらお前どうする?」

 初「啓佑がいなくなったら生きて行けないな。ただ息しているだけになるかもしれない」

 啓「輝がいまその状態なんだ。昔付き合った女と別れてからずっと」

 初「沙希はそんな状態の人と付き合っていたの?ただ身体だけの関係だったの?」

 啓「おそらく」

 初「酷いよ。沙希が可哀想だよ」

 啓「設楽さん判っていたんだろうな。きっと」

 初「そうかもしれないね。カンのいい子だから」

 啓「あぁ・・・初子にしても中森さんにしても皆カンがいいよな」

 初「そうかな。一番カンがいいのは由紀奈だけどね」

 啓「そうだね。だから怖いんだ」

 初「怖い?」

 啓「あぁ・・・」

 初「いい子だよ。由紀奈は・・・自分より人の事を考えてしまうから」

 啓「初子・・・」



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