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夜明け前  第1章  3
由「なに?亜樹がいいと思ってるんじゃないの?」

亜「それはないよ。いい人だと思うけどね。皆が言う程でもないかなって」

由「あんたは裕二さんっていう人がいるから」

亜「そうかな?」

由「そうだよ」

亜「由紀奈はいないの?」

由「う~ん。居たけどね。もう別れた」

亜「そうだったんだ」

由「うん」


以前付き合っていたが、事故に合い亡くなってしまった。

その傷が癒えていないのもあった。



次の日の昼休み


利「ここのランチは上手くって安いんだ」

由「そうなんですか。知らなかったです」

亜「たまにはいいかもね」

由「そうだね」

利「いつもお弁当なのかな?」

亜「そうですね」

利「自分で作って?」

由「はい。」

利「そう、偉いね」

亜「そんなことないですよ」

利「いや。自炊してるってスゴイと思うよ」

由「奥さんはお弁当作らないんですか?」

利「そうだね。うちの奴も働いているからね」

亜「そうだったんですか。失礼ですけど、お子さんは?」

利「いや、まだなんだ。」

由「そうですか。」

利「もういいかなって、お互い働いているしね。」

由「小泉さんは欲しくはないんですか?」

利「前は欲しかったけど、もういい歳だし、うちの奴もね」

亜「そうですか」


利昭の家庭の事情を聞いて少しだけ同情した。

幸せそうに見えていても裏はそうでもないんだと


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